
「Time」はアメリカのタイム社が発行している、有名で格式の高い英語雑誌です。
毎年「世界で最も影響力のある100人」、「パーソン・オブ・ザ・イヤー」を発表しており、名前は知っているという人も多いのではないでしょうか。
「TIME」は子供向け版「Time for Kids」を発行しており、本誌同様にその記事を読むことができるWEB版も存在します。
このサイトが英語学習者のリーディング教材としても優れているんです。楽しく、無理なく続けられる勉強方法としてオススメできる理由とは?
目次
Time for Kidsを使った勉強方法
独学で英語のリーディング力を鍛え、ビジネスで通用する英語力を身につけたい。
それには英語学習者向けの易しめの英語ではなく、ネイティブが実際に使っている生の英語に触れたい。
そう考えた私は、今までさまざまな英字新聞のWEBサイトをチェックし、記事のリーディングを試みてきました。
英文読解力アップのためと意気込んで始めても、英字新聞の英語はネイティブ向けなので単語も表現もとても難易度が高く、歯が立たないことがほとんど。
1つの記事も読破できずに心折れる…の繰り返しでした。
そこで目を付けたのが、「Time for Kids」というネイティブの子供向けニュースサイトです。
難しい単語や表現が少ないので、単語調べのために止まることなくスラスラと読み進められ、記事を読破できることで達成感も得られる。
自分の求めていたサイトだと思いました。
勉強に必要となる英語のレベル
「Time for Kids」は、子供の年齢層別(アメリカの幼児~小学校6年生ぐらいまでの4レベル)にページ自体が分かれています。
そのため、自分の英語レベルに合った難易度の記事を探すのが容易なのです。
最初は自分の英語レベルがわからないので、一番下の幼児レベルのページから読み始めましょう。
記事タイトルには時事問題のようなニュースは少なめで、「お絵描きに挑戦!」やお金の数え方など小さな子供向けと思われるものが多いです。
記事の中身も写真が中心で、文字量が少なく、単語も簡単なものしか出てこないので、スラスラと読み進められます。
一番下のレベルの記事が簡単過ぎると感じたら、1つレベルを上げて記事を読んでみます。
レベルが上がるごとに写真が減り、1記事当たりの文字数も増え、上のレベルでは時事問題のようなニュース性のある記事が増えてきます。
4グレードそれぞれのページにざっと目を通し、無理なく楽しく読めるかということを念頭に置き、自分のレベルに合った記事を探しましょう。
Time for Kidsで勉強した効果
「Time for Kids」でリーディング訓練を行っている私ですが,残念ながら「TOEICで100点スコアアップした」など、数値化できるような劇的な効果は出ていません。
それでも、このサイトを使った勉強方法がオススメなのは、自分の英語レベルに合った記事を簡単に探せ、生の英語を楽しく読めて、無理なく続けられるからです。
また、英語の基礎力の大事さを実感し、次にどんな勉強が必要かを自分で考えられるようになりました。
リーディングで語彙力以上に大切な基礎力は、文章の構造を理解できる力=基礎文法力+英語構文の知識です。
基礎力もなく、ただただ知らない単語を辞書で調べるだけのリーディングでは、先に進まないばかりか、大意をつかむことさえ難しいでしょう。
英文読解で注意すべき点は、修飾語や修飾文節が多すぎるとそれに惑わされ、主語・述語といった文の基本構造がわかりにくくなることです。
子供向けのためか、このサイトの文章は割と単純な構造で書かれています。
もし、幼児レベルの記事でも内容が理解できないのであれば、文法力と基礎語彙力が不足しているので、中学レベルの文法を勉強しなおせばよいのです。
なお、記事を読む時にオススメしたいのが、ただ読み流すのではなく、日本語訳を書くか、口に出すということです。
ノートに手書きでもいいし、PCにテキスト入力やボイスレコーダーに録音するというのでも方法は何でもかまいません。
英文の内容を日本語訳にアウトプットすることが大事なのです。
英文を読む時、頭では理解できたつもりでもうまく日本語に訳せないということは多いです。
簡単な文章でも全部日本語訳を書く、口にしてみるということで翻訳の練習にもつながります。
Time for Kidsのメリット
英語学習というと、教室に通ったり、英語テキストを購入したりと結構お金がかかります。
「Time for Kids」はサイトにアクセスするだけなので、インターネットに接続できるデバイスがあれば、無料で記事を読むことができます。
有料会員以外は閲覧不可といった記事もないですし、お金が一切かからないので、誰でも気軽に始めることができます。
また一番のメリットは、レベル別にページがわかれていて、自分のレベルに合った記事を見つけやすいという点です。
子供向けと言っても、幼児~小学6年生くらいまでと対象が幅広く、一番下と一番上のレベルではかなり難易度が違います。
同じページに難易度が異なる記事が並んでいると、1つ1つ記事を開いてみるしかなく、手間がかかります。
同程度の記事が集まっていれば時間を無駄にせず、目的の記事を読み始めることができます。
なお、ジャンル別に記事を検索することもできるので、レベル別かつジャンル別に自分が読みたい記事を簡単に探せます。
どのレベルでも難解な単語や表現が出てこないのも利点です。
「英語ニュースのリーディングを始めたいけれど、どんなサイトがよいかわからない」、「自分の英語力にあまり自信がない」という初心者にも適しています。
もし一番下のレベルの記事も理解できないという場合は、まず文法の勉強から始めましょう。
Time for Kidsズのデメリット
メリットが多いと感じている「Time for Kids」ですが、デメリットもあります。
メリットでも挙げていますが、単語も表現もそんなに難しいものがありません。
逆に簡単な文章ばかりで練習にならないという人もいるでしょう。
その場合十分な基礎力を持っていると考えられるので、通常の「Times」や普通の大人向け英語ニュースサイトの記事に挑戦してみましょう。
なお、私見ですが、単語の難易度などから考えて、このサイトの記事はTOEICの長文問題よりはやや易しめです。
最上位レベルの記事が辞書なしで理解でき、スラスラ読めるようであれば、TOEICの長文問題に苦戦することもないでしょう。
なお、このサイト内で難度の高い文章が苦もなく理解できたとしても、通常の英字新聞サイトの記事はまだ難しく感じるでしょう。
知らない単語も多くなり、文章構造の複雑さなど、難易度が格段に上がるからです。
それでもリーディングの基礎力(文法や構文の知識)をこのサイトで身につけていれば、辞書を引きつつ、少しずつ読み進められる力は養えていると思います。
私はリーディング訓練にスマホアプリもよく利用します。
なかにはリーディングを助ける便利機能を備えているものもあり、簡単に日本語訳を表示できたり、日本語で文法や単語の解説までしてくれるような、かゆい所に手が届くアプリもあります。
このサイトにはそのような便利機能はなく、もちろん日本語訳もありません。
日本語訳も確認したいときは、Google 翻訳などのブラウザの翻訳機能が使えます。
何となくしか内容がわからない記事は、自動翻訳機能なども使って、内容の理解を深めましょう。
以上、私が英語のリーディング練習に用いているサイト、「Time for Kids」についてご紹介いたしました。
英語の基礎力養成に最適なサイトなので、英語勉強方法に悩んでいる人はぜひチェックしてみてください。